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【2009/05/07】  勇壮な一大海上絵巻「観光鯛網」

風薫る五月。福山地域もすっかり初夏の装いだが、福山市鞆町の仙酔島周辺では三百七十年の歴史を伝える伝統の漁法、勇壮な一大海上絵巻とも称される「鞆の浦 観光鯛網」を行っている。二日の開幕日に現地で取材した。
鯛網は江戸初期の一六三二年(寛永九年)に福山藩主・水野勝成の命を受け、当時の走島の庄屋・村上太郎兵衛、鞆の当納屋忠兵衛の共同で開発したとされる。観光鯛網は一九二三年(大正十二年)に第一回が開催され、戦争で一時中断したものの、一九四九年(昭和二十四年)に再開され、今日に至っている。
開幕式は午後一時から仙酔島の田の浦海岸で行われ、約四百人が参加した。会期中の安全を願う神事や主催者の挨拶に続き、鞆の伝統行事「アイヤ節」の披露があった。さらに網おろしの祝いと大漁祈願を兼ねて漁師さんが樽太鼓を打ち鳴らし、弁財天の使いの乙姫が舞を踊った。
三十七人の漁師さんを乗せた六隻の船団が出漁。弁天島での大漁祈願を済ませ、沖に出た。五色の吹き流しとのぼりをはためかせた船団からは漁師さんたちが歌う独特の掛け声が聞こえてきた。
沖合約二キロの地点で二隻の親船が左右に分かれ、海中に網を下ろす。網を絞って小さくしながら引き上げると桜色に輝く鯛がピチピチとはねながら姿をみせた。今日も大漁だ。
観覧船から親船に乗り移った観覧客が早速獲れたての鯛を買い求めていた。
この日は市内の小学生も見学に訪れていたが、変わらぬ伝統漁法を目の当たりにした市立鞆小五年の藤井達也君(10)は「見たのは初めてですが迫力がありました。網を引いている人が一生懸命だった」と感想を話していた。
観光鯛網は二十四日までの連日と特別開催日の三十、三十一日に実施する。日曜祝日は午前と午後、それ以外の平日は午後のみの開催。
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